Online integrated report

自然資本

環境に配慮した製品開発と再製造による資源の有効活用

製品の品質向上と安定的な提供の責務を果たすことを第一に、地球環境に配慮した製品開発や、環境貢献活動などにも積極的に取り組んでいます。

環境に配慮した製品の開発

すべてのビジネスプロセスで環境に配慮

原材料や使用量、製造過程において取引先の皆さまの協力を得ながら、環境に配慮した製品づくりを目指しています。製品そのものだけでなく、包装形態や、輸送方法など、すべてのビジネスプロセスで環境に配慮した選択を心掛けています。

再製造単回使用医療機器「R-SUD」の市場普及

「R-SUD」は、使用済みの単回使用医療機器(Single Use Device:SUD) を、医療機器製造販売業者が医療機関から収集し、検査・洗浄・滅菌等の処理(再製造)を行い、再び使用できるようにした再製造単回使用医療機器です。2025年3月期までに累計12品番を上市しました。
本事業の拡大は医療機器を継続的、安定的に供給できる環境をつくるだけでなく、医療機器の再製造に関するノウハウを蓄積でき、新たな事業創造に通じるものとして力を入れています。

主な製品ラインナップ
R-SUDの普及によって
期待されること
医療安全の確保
R-SUDは全数検査が実施されるため、不具合発生率が抑制されます。
医療資源の有効活用
1回の使用で廃棄となるSUDを再製造することにより、医療・福祉産業廃棄物の削減に貢献します。
持続可能な医療の提供
国内製造のため、世界的なサプライチェーンの寸断リスクに備えた対策に期待ができます。

GHG(温室効果ガス)排出量削減への取り組み

当社グループは、中期経営計画において、2035年に向けた環境対策として「GHG(温室効果ガス)排出量の削減」を掲げ、エネルギーの効率的な利用や、製品・包装の見直しを通じた排出削減に注力しています。
2025年3月期のScope1・Scope2の自社GHG排出量は下図の通りです。
今後はScope3の算定にも着手し、サプライチェーン全体での排出量を把握した上で、優先的な削減ポイントを特定し、具体的な対策と目標を設定していきます。

ガソリン車からハイブリッド車への切り替えを推進

当社では、営業車をガソリン車から順次ハイブリッド車へ切り替えています。2025年3月現在、全営業車の90.1%以上がハイブリッド車となりました。今後はEV車の導入も視野に入れ、より環境に配慮した移動手段を採用していきます。

持続可能な自然再生プロジェクトを16年にわたって継続

2009年より、NPO法人アサザ基金と共に、「谷津田再生プロジェクト」に取り組んでいます。これは、当社筑波工場に隣接する耕作放棄地(6,700㎡の谷津田)を水田としてよみがえらせることを目指す活動で、無農薬による米づくりを続けています。これまでに延べ2,500人を超える社員とその家族が参加し、自然と共生する地域づくりに貢献しています。

環境と事業、どちらにもより良い製品づくりを
執行役員 研究開発本部長
石川 皇
R-SUD(再製造単回使用医療機器)の事業では、医療廃棄物の削減に貢献するだけでなく、洗浄の過程で使用する水も高度浄水処理の上で排水するなど、環境に配慮した生産体制を構築しています。その他、キット製品を構成する一つ一つの材料に関しても試作・設計の段階から環境に配慮した素材選定や設計を心掛けており、今後も地球と事業の持続可能性に貢献する研究開発を続けていきます。