市場創造の歩み
医療現場に足を運び、声を聞き、課題を汲み取る。さらに病院経営者と同じ目線に立ち、共に経営の目標に向かって挑戦する。ホギメディカルの製品開発の出発点にはいつも、現場と経営の課題がありました。そして、課題解決を目指して市場に存在しない製品を開発し、顧客の要望に応じて進化させ続け、製品というモノにとどまらない価値提供で医療現場に貢献してきました。その軌跡を製品開発秘話と共にたどります。
-
主要製品(抜粋)
メッキンバッグ
1960年代
1960年代の医療現場では、オートクレーブは普及していたものの、医療器具を新聞紙に包んで滅菌する状況でした。この課題を解決するため、ホギメディカルは1964年に滅菌用包装袋「メッキンバッグ」を発売。「売るのは製品ではなく知識だ」の方針で、滅菌の重要性を医療現場に訴えました。院内感染の社会問題化により、研究者や医学者の支持を得て現場の意識変革を実現。メッキンバッグは感染対策をスタンダード化し、現在では滅菌用保管パッケージの代名詞となっています。
-
不織布製品
1970・1980年代
1970年代の手術現場では、綿布のガウンを洗濯・再利用していたため、細菌感染リスクが問題となっていました。1972年、ホギメディカルは欧米で標準化されていた「ディスポーザブル」の概念に着目し、使い捨て手術着の開発に挑戦。欧州の展示会で理想的な不織布に出会い、軽くて柔らかく動きやすい手術着が完成しました。モデル病院でのテストにより、細菌感染率の低下と経済的優位性が証明され、病院経営の合理化にもつながりました。
-
キット製品
1990年代
1990年代初頭、1回の手術に必要な医療材料は何十種類にも及び、看護師は準備に時間を要していました。この業務に変革をもたらしたのが、材料一式をワンパックにまとめた手術用キットです。看護師は手術前にパックを開封するだけでよくなり、準備時間と器具の滅菌時間が大幅に短縮。さらに、現場の特殊性や医療ニーズを反映させた「カスタムキット」や「フルキット」を投入し、手術室の稼働率を高める上でも欠かせない製品になりました。
-
オペラマスター
2000年代
2000年代から病院は診療報酬の引き下げなどにより厳しい状況下に置かれていました。医療制度改革の波を早くから予測していたホギメディカルは、経営課題を解決するべく「オペラマスター」を開発。キット製品と物流、情報を一体化したシステムとして、疾病や患者、医師別の医療材料や手術室の稼働状況を可視化し、課題を抽出・分析、改善提案を継続的に行うことで、病院の収益改善に貢献しました。
-
プレミアムキット
2020年代
2020年代、高齢化に伴う手術患者の増加と医療現場の人手不足が課題となる中、ホギメディカルは手術の事前準備に着目しました。高度な手術では数百点の器具や材料の準備に数時間を要していたため、病院や医師ごとに必要な手術器具や材料をカスタムメイドで揃えた「プレミアムキット」を開発。術前、術中、術後の材料準備を「仕組み化」することで、準備時間を大幅削減し、看護師の効率的な時間活用と病院の収益改善に貢献しています。

